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日通、運送料15%上げ

日通、運送料15%上げ

 8月末、日本経済新聞の1面目に「日通、運送料15%上げ 企業向け 燃料高で来月から 24年ぶり」という記事が出た。
24年ぶりの料金改定。国土交通省へ届出制の料金なので、その価格は1990年の料金表の2割以上ということだ。よくまぁ物価の上がる先進国で24年も 値上げせずにやれたと思うが、燃料高や車両価格のアップ以上に、今、一番コストに反映してしまうのが、実は「改善基準告示」の遵守だと思う。

2014年1月1日から法改正で「改善基準告示」を守らないドライバーが過半数いると、30日の営業停止になる。
これまでは時間を多くかけても、高速道路を使わずに経費削減のため地道に一般道で輸送していたが、今は高速道路を多用して、どうにか拘束時間を減らさなけ ればならない。会社はこれまでよりも高速費が圧倒的に増加する。さらに拘束時間が少なくなるので運転手の手間は減る可能性がある。しかしそれでは生計が成 り立たなくなる恐れもあるので、これまでのように配慮する。経費が下がる要素等は全くない。
それと休息連続8時間や分割10時間を遵守すると、長距離輸送は非常にやりにくくなる。場合によっては納品後、帰りの積荷を積みに行けず、1日待機になっ てしまう。余計に燃料も消費して、ますます経費はかさむ。そうなると値上げか、もう長距離は行けないということになってしまう。

どの運輸業者も燃料仕入価格は大きく違わない。高速道路も料金はほぼ同じ。車やタイヤの値段だって大差はない。運行時間はガチガチに「改善基準告示」で 決められている。運輸業者に自由はない。もういっそのこと昔のように国で運賃を決めてほしい。実際の運送行為以外で売り上げた倉庫や流通加工等が、安定経 営の頼みの綱とは情けない。

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